REV SPEED 編集長 塚本 剛哲 氏

ce014<2011.11.21>
スポーツドライビングのススメ。

REV SPEED 編集長 塚本 剛哲 氏
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Q. サーキットを走ったあと、公道で走ることにストレスは感じませんか?

それが . . . ないんですよ。実は、サーキットで走るようになると「公道を走るスピードが落ちる!」って言うんですよ。一般道がどれだけリスキーかということがわかるようになり、安全を気にするようになるんですね。むしろ「スムーズドライビング」を心掛けるようになるんです。スムーズドライビングとは、例えばブレーキを丁寧に踏んで同乗者がガクンってならないようにしたり、まるでオートマチック車かと思うぐらいにマニュアル車のシフトをするとか、運転技術を愉しむようになるんです。一番わかるのは、走行時の「目線」でしょうね。サーキットを走るとすごくわかりやすいのが、クルマって目のとおりに動くんですよ。コーナーを走りながら常に先を見ていくようにする。ハンドルを切りながら出口、そしてその向こうを目で追っていくんです。それが「スムーズドライビング」でもあるんですよ。サーキットを走行してみるとわかるんです。普段の目線では追いつかなくなるんですよ。そういう走り方を意識するようになるといいクルマが欲しくなるんです。「自分はこれだけセオリーに忠実に運転しているのになぜこのクルマは言うことを聞かないんだろう?」って思うようになるんです。
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Q. サーキットでスポーツドライビングをするために最初に必要なものとは何ですか?

それでいうとおもしろい話があるんですけど、ある2人のプロドライバーに「サーキットを走るならまず何を買いますか?」という質問をしたんです。ひとりは、「タイヤ」だと言いました。タイヤを換えないと走ることができない。さらにチューニングしていく上で、タイヤを決めないとその先に進まないですと言うんです。もうひとりのプロドライバーは、「シート」だと言いました。「身体がグラついたら手も出ない。だからまずはシートだ」と言うんです。このふたつの考え方というのは一般のオーナーさんにも当てはまることだと思います。
どっちが良いかと聞かれれば、持ってるお金に依ります . . . (笑)。最初に10数万円掛けてシートを換えれば、一応そのクルマをフルに楽しめますよね。タイヤも最初はノーマルがついているわけですから。最初にそのタイヤを使い切ってしまうというのもありですよね。最初にタイヤから始めると、ブレーキもやらなきゃいけないですし、バランスを考えながら、足まわりをあれもこれもしないといけなくなるんですよね。いずれもそれぞれの愉しみ方の違いかもしれないです。いずれにしてもシートというのは、我々で言う重要部品ですので雑誌では「どんなものでも一緒というのは間違いなんです」ということを伝えていきたいですよね。
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Q. チューニングへのお金の掛け方も変わってきた . . . ?

クルマにお金を掛けようと思っても段々と掛けづらくなってきていて、そういう中でもスポーツドライビングを愉しもうって。そうするとどうなるかと言いますと、シンプルにチューニングするということになります。必要最低限で抑えるということです。無駄に何でもかんでも付けない。足はノーマルのまま、ブレーキをチューニング。それからLSD(リミテッドスリップデファレンシャルギヤ)やデフ。それから先ほども話しましたシート。お金を掛けられるところ、掛けないといけないところが絞られてきているんですね。仮に10年前のクルマであってもひと昔前の時代のクルマからすると確実に進化しているので、シンプルなチューニングでもそこそこの感じがでるようになる。それがトレンドだと思いますね。
そうなってくると、パーツの選び方というものが凄くシビアになるんですよね。付加価値がないと買ってくれない。支持されないんですよね。レカロシートもそのひとつ。レカロシートが支持される理由があると思うんです。ひとつは勿論ですが「性能」。ふたつ目は「ブランドの姿勢」。そしてもうひとつは僕個人の意見かもしれませんが「見た目」なんです。またこれがそそるわけですよ(笑)。
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性能というのは、ありきたりな表現なんですけど身体の支えたいところを支えてくれるんですよ。自分で考えると分厚くしたり壁を作ったりと余分なものをたくさん付けてしまうと思うんです。レカロシートの場合、逆にこれだけしかないのって驚くぐらいなんですけど、絶対的にサポートしてくれるんです。余分なものがあると煩わしくて何もできない。他のメーカーさんの場合、レカロがここまでしかサポートしないなら . . . というような風潮にあるんですけど違うんですよね。レカロシートの場合、本当に必要なところだけをホールドしているように思うので、一番リラックスしてドライビングに集中できるんです。僕は特にそうなんですけど「肩から先の力を抜いてドライビングしなさい」ってよく言われるんです。それを実践できるシートというのは本当に少ない。他のシートはそこが希薄なのに対して、レカロシートはそこがしっかりしている。体型による差もあまり表れない。そういうことをいつも研究されているだろうなとすごくわかるんです。そこにひとつ付加価値があると思います。
性能、そしてブランドの姿勢、見た目、この3つがあるので、非常に奨めやすいというか、誰が何を言わなくても支持されているだと思います。
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Q. スポーツドライビングを始めたいという方に奨めることは . . . ?

REV SPEEDという雑誌は、スポーツドライビングの推進雑誌なんです。単に目立ちたいとかではなく、サーキット走行を含めて「クルマがバテないように、サーキットを走れるぐらいタフなクルマにしよう」、そのために必要な情報を伝えていく。それがREV SPEEDの目的です。同じクルマでサーキットを走って、1台は5周も走ると水温が上がってしまってブレーキも使えなくなって休まなければいけない。一方でもう1台はそのままずっと走り続けていられる。ずっと走り続けられる方が愉しいはず。その時に最低限必要なものとは何か、そしてそれを教えてくれるのがプロショップと呼ばれるチューニング専門店なんだと思っています。是非、プロショップに行って、「どこどこのサーキットでこういう風に走りたい」といったことなど自分が何をしたいのかということをしっかりと伝えていただきたいです。
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Q. 最後に塚本さんにとってクルマとは?

クルマというのは、自己主張のひとつですね。洋服のように度々変えることができるものではないという点では、その意味も大きいですね。