トヨタ自動車株式会社 スポーツ車両統括部 主幹 野々村 真人 氏


<2016.9.1>
「シートに対する愛情。だから素晴らしいモノづくりができる」
トヨタ自動車株式会社 野々村 真人 氏

『86GRMN』に採用されたRECAROシート。カタログモデルのSportsterをベースに『86GRMN』の開発コンセプトに応じて緻密なチューニングを徹底的に施したオリジナルシート。最良を求めた野々村氏のマスターピース。

体感ハンドリングFRのコンセプトを実現するために、小型・軽量・低重心・低慣性を特長として企画・開発された小型スポーツカー。トヨタの「86」。日本のスポーツカー市場に大きなうねりを創り出した歴史的な車両。その『86』をベースに、TOYOTA GAZOO Racingが満を持して送り出したコンプリートモデル『86GRMN』。 わずか100台の限定生産となるスペシャルな『86』。その『86GRMN』にRECAROが採用された。

その『86GRMN』の開発責任者が、トヨタ自動車スポーツ車両統括部の野々村真人氏である。野々村氏は、エンジニアとしてトヨタ自動車に入社後、シャシー設計からサスペンション設計などを経て、トヨタが世界に誇るハイブリッド技術をモータースポーツの分野に投入するため『TS030 HYBRID』(FIA世界耐久選手権参戦車両)の開発に参画した。入社当初から希望していたというモータースポーツの舞台に立つ。その後、GAZOO Racingチームの『86』がニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝した2012年、『86GRMN』の開発計画が浮上。その翌年、野々村氏は『86GRMN』の開発責任者を任せられた。「レースで熟成した様々な技術を一般のお客様と共有したいと思うようになり、市販車の開発に戻ることを決めました」と語る野々村氏。

「車両開発を進めていく中で良いシートを求めたとき、その答えがRECAROでした。クルマは人が乗るものである以上、人を大切にするものでなければいけない。RECAROシートの設計思想の中心にあるのはエルゴノミクス。その思想を理解していくうちに言葉では表すことができないRECAROの素晴らしさを強く感じました。さらにRECAROでは、そのエルゴノミクスに加えて人間の感性を大切にする。その点においても『開発の思想』が一致しました。むしろ開発していく過程でその大切さを改めて気づかせてもらいました。机上の理論だけでなく、しっかりとクルマに乗り、人が評価する。クルマの開発では諸元が先行してしまいがちですが、理論もしっかり立てながら、最終的には理論と人間の感性を近づけていくことが重要。原理原則というか根本の思想をぶらすことなく、開発してく過程で常に原点に戻ることのできる軸足がある。それがRECAROだと思いました」という。

「RECAROには、元々ポルシェや様々な自動車メーカーのボディを製造していた歴史があリます。我々と同じクルマを製造するメーカー。単にシートの開発だけを請け負っているのではなく、シートの開発を通じて私たちと共にクルマを開発してもらっているような感覚が印象的でした。ただそれより何よりRECAROの皆さんは、とにかくシートに対する愛情、RECAROというブランドに対する愛情がすごい。愛社精神とかそんな薄いものではない。だから素晴らしいモノづくりができるんだと思います。

皆さんにもRECAROの愛情を感じて欲しい。それを是非伝えたい」と最後に野々村氏は語った。