こだわりラボ KODAWARI LABO

RECARO社員が語る「クルマはもっと愉しめる!」
ほしのさん

相棒、恋人 . . . どちらかというとクルマとは生涯の友達。

レカロ株式会社 技術グループ 星野 哲也 氏

Q. レカロではどういった仕事を担当していますか?

レカロでは、シート設計を担当しています。如何に他のシートメーカーとの違いを表現するかということを念頭に置きながら毎日仕事をしています。レカロシートを設計するということは、つまりブランドを背負っていることでもあると考えています。だからこそ強いこだわりをもって設計することが大切で、そのこだわりを失ってしまったらレカロではなくなってしまうと強く意識しています。それからこれまでのレカロの歴史を考えると、当然のことですが常に学ぶ姿勢をもってシートに求められる理想をさらに追求していかなければいけないとも思っています。そういう点では、レカロのドイツ本社が生み出す新しい技術への挑戦や誰も考えつかないような新たなシートコンセプトというのは、同じ設計に携わるものとしてやはり尊敬すべきところが多いと感じます。

Q. レカロシートの設計で特にこだわるところというのは?

月並みですが、レカロであればこそ「乗り心地」というのは何よりも優先されることだと思います。デザインから乗り心地ではなく。乗り心地からデザインをしたい。レカロのシートであれば、そうあるべきだと思っています。良いものが必ず売れる . . . そういう時代ではないとしても、レカロとしてこだわるべきだと思っています。

Q. その乗り心地にこだわるためにもすべきこととは?

星野シートの各部品にはそれぞれ役割があってその基本にしっかりとこだわりながら設計を考えるべきだと思います。まずはシートの骨格ともなるフレームで着座位置や着座性能の基本を作るべきだと思っています。レカロでは、レカロのオリジナルフレームを使用したアフターマーケット向けのシート設計とレカロのオリジナルフレームあるいは自動車メーカーのフレームを使用したOEM向けのシート設計の2つのパターンがあります。アフターマーケットとOEMの双方においてシート設計を担っているシートメーカーといえば世界広しといえどもレカロぐらいですよね。OEM向けのシート設計で一部のモデルにおいては、自動車メーカーがもつフレームを骨格とする場合があります。自動車メーカーのフレームを使って、レカロとしての味付けをしていく。とは言っても自動車メーカーのフレームもそのまま使用することはなく、必ずレカロシートの乗り心地へと近づけるようフレームそのものを補強していきます。足りないところをできるかぎり補っていきます。我々はこれをモジュラインコンセプトのシートと読んでいます。フレームを補強し、さらにウレタンなどのフォームパーツにレカロクオリティを採用することで、自動車メーカーのフレームを補強するだけでは補うことのできないレカロの乗り心地へと近づけていくよう努力していきます。間違いなくレカロとして、レカロシートのクオリティとして承認し得るレベルにならなければレカロの名でシートを送り出すことはしません。

ほしのさん

それでも乗り心地の礎となるフレームに制約がある以上、限界があるのは否めません。だからこそレカロが制約なくレカロオリジナルのフレームを使用してアフターマーケット向けのシート設計をする場合、フレームの役割にはどうやってもこだわっていくべきなんだと思います。フレームからしっかりと目指すべき乗り心地を作り込んでいくべきだと思います。

ウレタンなどのフォームパーツは最終的な味付けの部分としたいです。クルマというのは、走る・曲がる・止まるを何度も繰り返す中、自覚している以上に振動を受け、そして人間の身体の細かい動きを必要としています。その振動吸収や細かい身体の動きを支える役割こそがフォームパーツだと思います。フォームパーツとは単なる意匠を作り出すものではないと思います。(それって人間の骨と筋肉や脂肪の関係性に似ているような . . . )

ほしのさん

Q. クルマのシート設計を仕事として選んだ理由とは?

機械科の大学を卒業して入社した会社には、車両設計、特捜車両設計、内装設計の3つがありました。配属希望もまさにその順番でした . . . つまり車両設計が大学を卒業してすぐの自分の希望でした。実際には、卒業した大学の先輩がいて内装設計に引っ張られてしまいました(笑)。内装設計の中には、シート設計とドアトリムがありました。シート設計の中でもさらには、骨格、ウレタン、トリムカバー、樹脂部品、機能部品など5つの部門に細分化されます。最初は、機能部品に配属。リクライナーやスライドレバーなどを担当しました。その次に骨格(フレーム)を担当するようになりました。

実は乗り心地はフレームからと考えるようになったのはレカロに来てからなんです。というよりもレカロに来てから「乗り心地」という言葉の意味を強く意識するようになりました。その乗り心地を追求していくと、最終的には礎となるフレームからしっかりと作り上げていくことがどれだけ大切かということにこだわるようになりました。

Q. シートの設計はおもしろいですか?

おもしろいですね。特にレカロに来てから思うことですが、明らかに量産メーカーにはない感覚というものがありますね。量産メーカーでシート設計をしているときは他社の設計するシートに勝つとか負けるとか考えたこともないですが、レカロにいる以上、レカロとして他社とは違うモノ、自信をもってこれはレカロシートですと言えるモノを設計しなければいけないと強く思うようになりました。レカロも企業である以上、OEMシートに限らずレカロオリジナルのアフターマーケットシートであっても何の制約もないと言えば嘘になります。それでもどれだけこだわるか?レカロでは、一切の妥協は許されない。だからこそ、すごくおもしろいと思います。

それに憧れのレカロシートを設計できるということは最高ですね。当然ながらレカロに入る前からずっとレカロシートは憧れでした。大学を卒業して働きだしてようやくレカロを買えるようになったのがレカロシートです。簡単に手に入るようなものではけしてなかったですから。そのレカロシートを自分が設計していると思うとたまらないですよね。

ほしのさん

Q. クルマは好きですか?

好きです。星野クルマがなくなったら禁断症状がでますね。自他ともに認めるクルマ好きですね。クルマに乗っているとすごく落ち着くんですよ。だからこの歳になってもクルマで深夜徘徊したり、休みの日の夜明け前に独りで遠くまでクルマを走らせたりするんですよね(笑)。人に話すとよくアホだと言われますよ。独りで山の方とか湖の向こうを走りながらニヤニヤしていますから(笑)。友達と一緒に遠出するときなんかでも、必ず自分がクルマを必ず出したいと思うんです。運転したくて仕方ないんですよね。もしどうしても友達のクルマで出掛けるとなっても、友達のクルマを運転させてって必ず言いますね。運転していたいし、それにいろいろなクルマを運転したくなるんですよね。「運転させてくれー」って必ず言います。

Q. そんなにクルマが好きなのはいつ頃からですか?

「大人になったらたくさんのクルマが欲しい . . . いろんなカテゴリーのクルマが欲しい」って小学生の頃から思っていました(笑)。そこってすごく変わっていて、200~300台のミニカーをもっていましたけど、普通ならスーパーカーとかスポーツカーなんかのはずなんですけど、普通に国産車とかも持っていましたね。スーパーカーブームとかでフェラーリやポルシェなんかも勿論欲しいと思いましたが、それだけではないし、どちらかというとそういう方向ではないですね。いろんなクルマが欲しい。トラックも国産車も含めて興味がとても広かった。いろんなクルマを横目に見ていましたね。変わった小学生でしたね。小学生なのに自動車ディーラーへ行って車種別の分厚いカタログを貰ってきてましたから . . . 。

ほしのさん

Q. 今、どんなクルマを乗っていますか?

今、1台減りましたよ。減らしたのではなく減ってしまったんですけどね . . .(笑)。今、もっているのはポルシェのボクスター、アルテッツァ、ハチロクの3台だけなんです。通勤用としてもう1台VOXYがあったんですが . . . 。つい数週間前、高速を走っている途中にエンジンがいってしまいました。走行距離もかなり多かったのでもう限界だったんですね。クルマ、もっと欲しいんですけどね。家族には全く理解されないですけど、このクルマは○○用、あっちのクルマは○○用という感じで、お金さえあれば何台でもですよね。ただ、ひとつストレスというかジレンマがあって、今はわずか3台にも関わらず仕事や家族と過ごす時間なんかでクルマに時間が掛けられなくなっているんです。3台とも次はこれしてあれしてっていうのが頭の中にはものすっごいあるんですけどね。特にポルシェのボクスターなんかはまだまだやりたいことがたくさんあって、例えばVOXYの代わりに40~50万の中古で通勤車として何かおもしろいものをと思っても、それだけあったらボクスターのパーツが変えるなあとか迷いがでたりするんですよね。

ほしのさん

Q. 星野さんにとってクルマとは?

クルマは . . . 相棒っていうと言い過ぎですね。恋人 . . . とも違うなあ。友達に近いのかもしれないです . . 。クルマに何かをしてあげているけど、クルマからも貰うものもたくさんあります。だから生涯 . . . 友達ですね。

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