RECARO 86/BRZ Racing Team 紹介 <チーフエンジニア>


今回チームの運営を任されたプロフィの江成氏。
「GR86/BRZ RACEは、イコールコンディションのワンメイクレースです。レギュレーションによりマシンを大きく改造することはできません。許されるのは、一部のパーツを交換することや足まわりのセッティングを調整することぐらい。もちろんシートは交換でき、GR86/BRZ RACEでは安全面のためにバケットシートの装着が義務づけられます。ここで重要になってくるのが、どんなバケットシートを選ぶか。となると、当然速く走るためにも安全のためにも、形だけのバケットシートを選んでいいはずがありません。最善を考えたら、RECAROしかないでしょう」
江成氏はその理由として、レースを通じて解析されたデータがRECAROの性能の高さを証明しているという。
「僕がRECAROと仕事をしたのは、PRO RACER RMSの開発からです。その際、データロガーを使うことで、シート剛性の違いが運転にどのように変化するのかを解析しました。走行中にシートが動いたように感じられるのは、シートそのものが動いているのか、それともシートレールが動いているのかまでデータロガーで読み取ることができます。改良の際の対策方法が変わってきます。レーシングドライバーのインプレッションも重要ですが、数値で明確にすることにより、その裏付けを取ることができます。RECAROの性能を数値化することができます」
86に装着したPRO RACER RMSに変更しただけで、各ドライバーのブレーキ踏力が20%〜30%向上したことが分かったのも、このデータロガーのおかげだ。このことひとつをとっても、PRO RACER RMSの開発の方向性が間違っていないことが明らかになったと言える。
「GR86/BRZ RACEのプロクラスは、クルマの性能を最大限に使い切ったところでの戦い。それを証明しているのが、ラップタイムだと思います。86/BRZは200psほどの最高出力しかなく、180km/hでリミッターが効いてしまう、市販車と同じ車両です。富士スピードウェイをトップ集団は2分3秒ほどで走らせます。富士スピードウェイのストレートを250km/hで走れる実力のクルマなら分かりますが、86/BRZでは異次元の走行スキルがなければその速さで走ることは不可能です。そして、その『速さ』を支えているのが、シートをはじめとした変更可能なパーツです。要は、コーナリングスピードを高めるしかありません。そのノウハウをここで公表することはできませんが、正解に近いと思われる方法はあります。それを駆使したいと考えています」
そう自信たっぷりに話す江成氏のレース運営と車両メンテナンスの手腕は、チームにとって大きな武器になるはずだ。RECAROのシートづくりのノウハウと、江成氏のデータロガーを解析する能力。それらがミックスされれば、より良いシート開発に繋がり、引いてはレースでの結果も出るようになるだろう。RECAROと江成氏率いるプロフィのコラボレーションがどのような化学反応を導き出すのか、その答えはもうすぐ出る。  (取材協力/ 911DAYS)